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50年来の友人長澤均さんからのお誘い。
そうだなあ最初はこれにしよう。
「10セントの意識革命」片岡義男著
1973年刊行のこの本は、1950年代のアメリカ論であり、そこから波及した意識革命を探りあてるエッセイ集だ。今読んでもドキドキする。
たとえばロックンロールについて「ビートルズのすぐれた点は、各種の音楽を合成する才能やリリシズムではなく、ポップな態度にあった、、、」と書かれていて興味深い。
世界が同時に罹患したのがこのポップな態度だった。そして1960年代の日本の中学生、高校生の意識革命でもあった気がする。
青島幸男の「青島だー」とか「ハラホロヒレハレ」という決めセリフがあった。現実に併走するもう一つの現実の感覚=ポップな態度。後年のミッキー安川とか影山民生、さらに言えば伊丹十三にも繋がる態度と言えないか?この人たちの影響って意外と大きいのでは。
さらに目を広げれば、フランスにおけるボリス・ヴィアンのパタフィジックとか、アメリカ60年代カルチャーのバイブルと言われるスーザン・ソンタグ「反解釈」所収のキャンプな態度にも繋がる。
片岡義男の取り扱い品目「ロック」「オートバイ」「サーフィン」はそのまま同時代のものとして僕自身の生活態度になった。ポップな感覚はいつもあった。
細野晴臣が片岡義男の新著にコミットしていた。久しぶりに買ってみよう。