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「センセイの鞄」川上弘美著
今日は〈夕方飲み〉に出かけた。タコ焼きで酒を飲む西麻布のバーで、つかの間旧交を暖めた。
「人恋しいんだよな」
誰もがそんな風に言う。パンデミックは議論百出かもしれないけどね、と。
そこでこの小説をお勧めしたい。
元教師の老いたセンセイと教え子ツキコさんとの、淡く静かな居酒屋の逢瀬の物語である。
人恋しい万国の老人の希望の書としてお勧めしたい。
万国の老人たちは決起したりしないだろうが、気持ちだけでも奮い立つスローガンがあるといい。寺山修司のこの短歌なんぞはどうだろうか。
「林檎の木ゆさぶりやまず逢いたきとき」
付記
西麻布のバーで雑談
鈴木雅之が歌う大瀧詠一の「夢で逢えたら」
これがいいんじゃないか、と。