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- 新文芸座 | SHIN BUNGEIZA <2000>

新文芸座 
2000
用途 /映画館
所在地/東京都豊島区東池袋
面積 /2900㎡
建築設計/IIJIMA DESIGN+バケラッタ
壁画 /和田誠

- お楽しみはこれからだ
人世坐を含めた文芸坐の50年の歴史はそれこそ「映画のような……」ものであった。
戦後のドサクサがそのまま残ったような周辺立地がまずすごい。気分がペペルモコになると誰かが言っていた。 政治的理由で上映不可能になった、大島渚の『日本の夜と霧』の上映を強行したり、映画館としてのドラマにも事欠かない。そんな特異な映画館であった。 2000年、そんな文芸坐の再生=新文芸坐のオープニングは、2カ月にわたる日替わりの戦後日本映画特集だった。 『七人の侍』から『ゆきゆきて、神軍』まで86本を上映してしまう特異さの露呈。 その後は、高田文夫とイッセー尾形、北野たけしらゲストによるオールナイト。上映される映画は『幕末太陽傳』『人情紙風船』など15本。やってくれるではないか。

こんな映画館のデザインだったから、シネコン風のエンターテイメントスペースなどというものは、私にとって論外であった。 日常の漂白と少しの緊張をつくり、感覚を映画そのものにさし向けるための零度の空間が望まれた。そしてもうひとつ、『お楽しみはこれからだ』のような気分をつくりたかった。 そんなこともあって和田誠氏の本『お楽しみはこれからだ』のイラスト125点をロビーに使わせていただいた。うち1点は新文芸坐のための新作である。

有限会社 飯島直樹デザイン室
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