- PMO_01 日本橋本町 | PMO_01 Nihonbashi-Honcho <2008>









PMO_01 日本橋本町
2008
用途 /オフィスビル
所在地/東京都中央区日本橋本町
面積 /3469㎡
建築デザイン/IIJIMA DESIGN
- 中くらい
PMOはプレミアムミッドサイズオフィスの略称である。
文字通り中くらいの大きさのオフィスビルの、「中くらい」というところにこだわった建物である。
「中くらい」とはどういうことか。
計画の検討時に車のMINIのありようが論議された。MINIは最近はBMWで製造されるので先端の新しさを持つ。一方、名車として親しまれた時間的存在だ。
そして小さいことが車社会の「現在」を指向し、強い存在感と自負を感じさせてくれる。「中くらい」のひとつの指標として論議された。
PMOの「中くらい」の価値にも通底する指標ではないか、と。
PMOはオフィスビルのデザインである。トーフのようだと揶揄
やゆ
される近代建築のカテゴリーでいえば、このビルはトーフのようにただただ四角い。
しかし「それでいい」という観点がまずあった。今、東京のような雑多な街の中でトーフのようであることのデザイン上の可否は、過剰な自己主張の建築デザイン同様ほとんど意味がないだろう。
MINIの時間への参入にならうならば、街という時間的現象への参入の仕方が重要なのだと思う。
PMOの参入の仕方は、同じトーフでも静かで涼しい「冷や奴」のようなそっけなさでありたいと思った。
街という集合の中にいつの間にか入り込み、経過する時間のなかで少し新しい街角をつくるといった有り体を望んだ。
PMOはこの日本橋本町以降、野村不動産建築部の設計監理と飯島直樹デザイン室のデザイン監修とのコラボレーションによって、様々な立地と規模に柔軟に対応しつつ「プレミアムミッドサイズ」のオフィスビルブランドとして確立した。