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- コスメティックガーデンC | Cosmetic Garden C <1994>

コスメティックガーデンC
1994
用途 /資生堂ショールーム
所在地/東京都渋谷区神宮前
面積 /247㎡
アートワーク/彦坂尚嘉
グラフィック/秋田寛
ウィンドウディスプレイ/松本健治
プロデュース/山内菘

- 日々の生成
手に触れるところに商品がありながら、その商品は売らない。でも客は客としてもてなされる。ショールームとはそういうものだが、実はこれがキツイ。商品は流通物であり、そのことを知り、その上で、売ったり買ったりしない場所をオペレーションすることは思うよりも難しく、辛いのだ。

私は、資生堂のショールーム「コスメティックガーデンC」の仕事でそんなことを知った。 商品というのは生き物に近い。だから商品の意味作用(売りもの)から外れて、商品のリアルと直面するのは簡単なようでややこしいことだった。実際、このショールームで働く資生堂の女性たちはたいへんだった。売ることの業務からはとりあえず自由。しかし「売ることのできない商品」と「買わないお客さま」との関係をつくらなければならない。

「コスメティックガーデンC」はそういう場であったから、デザインは商品の決まりきった秩序の展示にならないこと、商品をリアルで自由な状態で触れることが出来るように仕向けられた。庭=ガーデンのような日々の生成をつくり出す場であったからかもしれないが、このショールームは1994 年から2006 年まで、草花の植生のように変化しつつ、長く続けられた。天井画や鏡のオブジェクト制作に、美術家の彦坂尚嘉氏が参画した。

有限会社 飯島直樹デザイン室
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